海外での新居探しや引越しにおいて、賃貸契約や入居審査、契約書の取り交わしでつまづく人も多いだろう。物件のチェックポイント、賃貸契約時に必要な費用・書類、入居までの準備、入居時のポイント、その他必要な手続きなど、事前に把握して、入居までの疑問を解消してスムーズに生活が始められるように準備しておこう。
物件探し時の注意点
■学校区
家族で物件を探す際に、物件探しの最も重要になるポイントは「学校区」。お子さんが小学校、中学校、高校に通う際に、入居する物件のエリアによって決められた学校区に通うことになるため、事前にどこの学校(区)にお子さんを進学させたいかを決めることが重要になる。
■物件のタイプ
物件タイプは大きく分けると、①一戸建て②タウンハウス、コンドミニアム③アパートメントに分類できる。3つの大きな違いは、「所有者」。①は一軒家を個人が所有、②は部屋のみの「区分」を個人が所有、③は法人が建物ごと物件を所有、管理している。①は比較的大きな間取りで、プライバシーと広さを確保できるため、生活音などが気になる人や、庭でBBQや子供用のプール等を楽しみたい家族向けの物件タイプ。②は部屋以外は共有スペースとなっており、HOA(Home Owners Association)が管理する物件。敷地内に管理人がいないため安全性に懸念はあるが、物件によってゲートなどのセキュリティがあり、③よりコストを抑えたい人向けの物件タイプ。③は管理人やセキュリティが敷地内にあり、安全性やトラブル対応がスムーズであるほか、敷地内にプールやジムなどの設備もある。広さよりも利便性や安心感を重視する人向けの物件タイプ。
住宅は生活の基本となる大切な場所。便利さや値段だけでなく、生活環境をしっかりと吟味した上で選んでほしい。
物件探し〜入居まで
1. 要望
エリア・物件タイプ・間取り・予算・入居時期を決める。家賃の予算を踏まえたうえで、優先順位の上位に何を持ってくるかを考えることから始めよう。優先したいポイントをしっかりと把握するには、ある程度の時間が必要だ。物件探しをはじめたいと思い始めたら、まずは物件探しのウェブサイトなどを見ながら立地や家賃相場などをチェックしておくといいだろう。
2. 準備
申込みを行う際に必要な書類を準備する。アメリカでは物件の契約する際に個人の信用度を測るクレジットヒストリーを求められる場合がほとんどだ。クレジットヒストリーがない場合は、収入証明が必要になるほか、日本から赴任の場合は会社からのオファーレターが必要となるので予め準備しておくことを勧める。※収入証明に記載されている金額の目安は、家賃の2.5倍~3倍。
3. 物件調査
入居の1カ月前から物件の空き状況が分かるので、入居日にあわせて物件を調査する。入居日を決めた段階で、現在住む物件の賃貸契約書の解約に関わる解約予告期間を把握しておくと、退去時のトラブルや二重払いを防げるだろう。
4. 物件案内
実際に物件の内見を行い、物件を選定する。日当たりや騒音、実際の広さなど、間取図だけでは分からないことを中心に現地で一つ一つ確認し、部屋の良し悪しを判断しよう。
5. 申込
物件が確定したら申込を行う。物件によって書式は異なるが、基本的には①勤め先 ②所得 ③犯罪歴の有無などを記入する。また、一戸建てやコンドミニアムの場合は、複数のオファー(入札)を受けることがある。その場合は、オーナー側が1番良いと思った人を選ぶ。
申込み後にキャンセルした場合は審査費用は返金不可だが、物件によっては24時間~36時間以内のキャンセルであれば、デポジットは返金されるケースがある。気に入った物件があれば物件を確保するために申込みを行い、その後に検討するのも1つの方法。一戸建ての場合は審査費用のみの支払い、もしくは申込費用なしのケースが多い。
※アパートの場合には、審査費用35ドル~45ドル/人+デポジット500ドル~700ドルを支払う。
6. 入居準備
入居審査が通った後、入居日までに下記の準備が必要となる。
A:前家賃+デポジット(入居審査後に必要なデポジットが確定する)
クレジットヒストリーが無い場合は、家賃の1カ月分を追加デポジットとして要求されるケースが多い。また、初期費用の支払いのみ通常のチェックではなく、キャッシャーズチェック、あるいはマネーオーダーで支払うケースが多いので、銀行などで準備する必要がある。
B: PG&E、水道、ゴミの名義変更手続き
ほとんどのエリアでは、電気、ガス、水道などは使える状態のままになっていることが多く、新しく回線の契約をする必要はないが、契約者の変更手続きを行う必要がある。契約手続きは一般的にはオンラインで手続き可能。PG&Eに関しては、SSN(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー)を持っている人はオンラインで変更手続きが可能だが、SSNが無い人は直接最寄りのPG&Eのオフィスで手続きが必要となる。アパートメントの場合は、水道、ゴミは管理会社が契約しているので、PG&Eの変更手続きのみとなる。
C: 賃貸人保険(Renter’s Insurance)の加入
入居までに賃貸人保険に加入する必要がある。
D: 搬入の手続き
アパートメント、コンドミニアムの場合は、引越し業者が荷物を搬入する経路やエレベーターを確保するため、事前に管理会社に届け出る必要がある。
7. 入居
入居の時間を事前に確定して、入居の手続きを行う。入居の際に物件に傷がないか、問題がないかなどを確認を行い、MIMO(Move-in Move-out)を記入する。この書類を基に退去時に物件の状態を確認するので、きちんと確認を行う必要がある。
※後々のデポジット返還トラブルにならないよう、入居直後に部屋の状況の確認作業をし、傷の状態などは、写真などで証拠を残しておこう。
シリコンバレーの学区の情報
シリコンバレーエリアの学校区の情報は下記ウェブサイトで確認することができる。(www.greatschools.org)
ウェブサイトでは、学校(区)のレベルが1~10で評価されており、学校の特徴などが詳細に記載されている。下記エリアは上記サイトで8〜10で評価されているので、比較的学校区の良いのエリアと言える。
バーリンゲーム、フォスターシティ、メンロパーク、パロアルト、ロスアルトス、クパチーノ、サニーベール(一部)、ウエストサンノゼ(一部)、サラトガなど。
※要望の学校区内に入居した場合でも、学校の定員オーバーで一時的に他の学校に通うことがある。物件を決める場合は、学校の空き状況なども事前に確認するといいだろう。
情報提供:Starts Pacific, Inc. - SAN JOSE
ベイエリアの不動産市場
リーマンショック以来高騰した不動産も2018年前半期をターニングポイントとして価格が下降した。異常な購入価格の入札アップは減少したが、バイヤーが期待するほどの大幅な値下がりはなくフラットな価格で昨年末まで落ち着いていた。しかし2020年に入り、住宅ローンの低金利、株価の上昇が続く中、昨年まで不動産購入を躊躇していたバイヤーが積極的に購入へと動き始めたため、複数の入札により昨年の価格よりアップしている。この状況で売却物件不足が続くと、人気のある地域の物件又は一軒屋の価格は上昇する可能性がある。賃貸物件に関しても、アパートなどの建築と家賃制限で賃貸料は去年と同じく大幅な値上がりもなく安定している。
リアルター(不動産エージェント)の選択
まずは信頼のできる実績と経験のあるリアルターを選ぶことが大切。今までにどういった、またどれだけの売買トランザクションを行ったかを質問するのもよい。数カ月以上付き合うことになるので、地域やコミュニティをよく知り、気楽にコミュニケーションができ、契約終了後も家の管理・修理など、丁寧なサービスとアフターケアをしてくれる人がベストだ。リアルター個人の実績と経験が有利な契約交渉とスムーズな不動産購入につながるが、信頼できる大きなブローカー(不動産会社)は、豊富なスタッフ、顧問弁護士などのチームサポートとネットワークがあるので安心して任せられ、多くの専門情報も得られる。住宅を購入した友人・知人に紹介してもらうのもいい。
住宅ローンの申請
住宅購入を決めたら、ローンの手続き準備を同時に始めよう。銀行やローン会社のローンオフィサーからローンプログラムの内容、諸経費などの説明を受け、購入可能な金額が判明次第、ローンの仮承認書(プリアプルーバルレター)を出してもらう。この仮承認書は購入条件を良くする効果があるのでオファー提出の際に必要となる。ローンオフィサーもやはり実績と経験があり、金利など条件のよいローンを探してくれる信用できる人を選ぼう。
物件探し
購入可能な価格帯をもとに希望の条件(地域、治安、環境、学校区、交通便、日当たりなど)にあった物件を何軒か見て比較しよう。条件の優先順位があれば物件の決定がしやすい。住居、投資物件であっても将来再売却(リセール)しやすい物件を選ぶこと。物件のコンディションは改装することで価値を上げられても立地条件は変えられないため、立地条件の悪い物件を選ぶ際には購入価格を十分検討したい。くれぐれもオープンハウスで売り手エージェントのセールストークに乗せられ、早まって契約書にサインをしないこと。失敗しないためにも、買い手の立場で家を探してくれるリアルターに相談することが大切。
物件の購入申し込み(オファーの提出)、交渉
気に入った物件が見つかると、まず売り手からの検査報告書(ディスクロージャー:ホームインスペクション、シロアリ検査)をリアルターと内容確認してオファーの提出を決定する。売り手の検査報告がない場合は、契約手続きに入った後、買い手の費用で報告書を作成する。売買契約書には買い手の希望価格のほか必要事項(手付金、ローンの頭金と条件、契約/エスクロー期間、物件の調査機関、物件の修理、登記会社への支払いなど)をオファーとして提出するが、売り手と同意できない事項は再交渉(カウンターオファー)することになる。現実離れした買い手の価格や条件次第では売り手は交渉に応じず、オファーを拒否することもある。また、同じ物件に何人もの購入希望者がいると価格が上がるので、マーケット状況を認識しながら、オファー内容はリアルターと相談して決める。
合意事項の遂行、エスクローの開設
売り手と買い手が全事項で同意すると契約手続きに入り、買い手は住宅ローンの手続きを進め、手付け金(通常購入価格の3%、購入代金の一部に充当)を登記会社(エスクロー/タイトル会社)に預け入れる。一定期間内の条件付きで契約した場合(コンティジェンシー・オファー:ローンの本承認、銀行/レンダーからの価格査定の承認、物件のコンディションの再確認)この一定期間内には再交渉、または契約をキャンセルする権利がある。キャンセルを正当な理由で合意期間内に行なうと手付金は返金される。契約手続きに入ってから登記日までのエスクロー期間は25日から35日が一般的だが、これも交渉可能。ローンの最終承認を確認次第、エスクロー会社で住宅ローンの契約書、諸経費の見積もり書(クロージング・ステイトメント)にサインする。エスクロー会社は売り手と買い手双方に対して中立の立場にあり、契約内容に従って事務処理、資金管理(手付け金の保管、頭金、買い手/売り手のローンの借り入れ/支払い、固定資産税/郡・市税の支払い、諸経費の支払い)と名義変更の登記手続きを行う。
契約成立、登記日(エスクローのクロージング)
登記日の前日までに、頭金とローンの入金をエスクロー会社で完了後、カウンティ・レコードオフィスで登記される。エスクロー会社から最終決算書を作成してもらい、リアルターから鍵を受け取り無事契約が成立する。
情報提供:島田文子
Coldwell Banker
日本からの出張・研修や、赴任時の仮滞在に便利なのが、短期サービスアパートメントだ。
アメリカの通常のアパートに住んでいるのと変わりなく、部屋にはキッチン設備や家具、TVがついており、また電気・ガス、水道、インターネット、Wi-Fiなども既に開設済みで、使用料も料金に含まれている。アパートと違い入居審査や敷金・礼金も一切かからない上に1週間からの滞在が可能だ。価格はホテルよりも低く設定されており、32日以上の滞在ならホテルと違い税金もかからないため、格安で宿泊することができる。滞在期間の延長についてもフレキシブルに対応してもらえる上、週に一度の掃除・リネン交換サービスも付随している。ホテルのような気軽さでチェックインができ、我が家のようにくつろぐことができる、ホテルとアパートの良いところを組み合わせたサービスが短期サービスアパートメントだ。
また、立地も日本のスーパーマーケット、ミツワまで徒歩圏内など便利な場所にあることが多い。そういう場所であれば、慣れ親しんだ日本のお弁当や食材の購入することができ、アメリカに慣れていない出張者も安心して生活することができるだろう。室内には冷蔵庫、食器類、調理器具や炊飯器も完備されていることが多く、お米を炊いて、ちょっとしたおかずを買ってくれば、日本のような食生活を送ることも可能だ。ホテルに滞在している場合は必然的に外食が多くなってしまうが、長期滞在する際に健康的な食事が滞在先で取れることはとても魅力的だ。
また、短期サービスアパートメントの建物の設備には、ランドリールームや駐車場、ジムやテニスコート、プールなどの設備も完備されており、リフレッシュのためにエクササイズを行うこともできるところもある。
室内付帯設備(例)
●ベッド ●炊飯器 ●ハウスウエア一式
●デスク●テレビ ●WiFi ●ソファ ●ダイニングテーブル●ケーブルTV ●キッチン用具 ●冷蔵庫 ●食器●週1回のハウスキーピング(清掃)●電子レンジ●リネン/タオル ●コーヒーメーカー ●ハンガー●ヘアードライヤー ●朝食(おにぎり/パン)
※付帯設備は施設や部屋によって異なる
情報提供:Relo Redac, Inc.
転勤、転職、離婚、アップグレード、ダウンサイズ、子供の学校区、リタイヤメント。マイホーム売却の理由は様々だが、売却することを選択したら、まずは自分にあったリアルター(不動産エージェント)に相談することだ。そして、買い手目線で売却準備をすること、また、アメリカの人口の約25%を占めるミレニアム(今年24歳から39歳)が、昨年度の物件購入者の約37%を占めている(出典:National Association of REALTORS®)こと等を踏まえて、物件を早く、高く売却する策を、信頼できるリアルターにアドバイスしてもらうことが大切だ。
売却時に発生し得る主な費用
まずは、支出項目をしっかり押さえよう。
・ホームインスペクション費用
住宅診断士(ホームインスペクター)による住宅の状況、欠陥、改修すべき箇所等のレポート費。
・修繕費
・エスクロー費用
不動産取引における売買成立、清算の作業や決済等を第三者として管理する仕組みをエスクローという。専門業者へ依頼する費用。
・クロージング費用
売買契約の締結、売却業務の完了にかかる諸費用。
・不動産譲渡税
所有権の変更により発生する税金。
・不動産エージェントへの手数料
希望期間内に希望価格で
売るための8つの戦略
住んでいた期間が1年だろうが20年だろうが、夕飯の準備中に子供が宿題をしていたキッチンカウンター、友人を呼んでバーベキューをしたバルコニー、紅白を見ながらくつろいだリビングには愛着がある。ところが、買い手は売り手の思い出には関係なく、物件の第一印象、個人の好みでマイホームを選ぶ傾向がある。多額の資金を費やさずに、費用をおさえ、買い手の第一印象を上昇させるための準備はいくらでも可能である。
1)生活感の改善
家族の写真、思い出の品等は整理し、ステージングで買い手が個人のマイホームをイメージできるように演出する。
2)カーペット、フロアーの張り替えとペンキの塗り替え
内装のリモデルをせずに家の中が一気に明るくなる。玄関ドア、ガレージドアの外壁塗装は効果あり。
3)ランドスケープ
ホームディポなどで手のかからない植物を調達し、庭木は刈り込み手入れをする。
4)ハウス・窓のクリーニング
ディープクリーニングと窓の清掃はオープンハウス前に行いたい。
5)住宅検査(ホームインスペクション)後の修繕
ドアノブ、戸のちょうつがいや外玄関照明など、低金額で修繕できるものは交換する。
6)写真、ビデオ
魅せる物件作りは最大限に活用する。
7)適切な価格設定
リアルターの市場調査分析をもとに適切な価格設定をすることがもっとも重要である。
8)集客率を上げる
ローカル、ナショナル、インターナショナルレベルでのネットワーク。フェイスブックをはじめ全てのソーシャルメディアに対応するマーケティングを行い、より多くの人への物件公開場を広げる。
2020年は選挙の年。住宅ローンの低金利に伴い、今後市場がどう変わっていくか等の質問は経験あるリアルターの意見を聞いてみよう。
情報提供:Colewell Banker The Professional Group 浅井理栄
ここ数年の不動産ブームは高騰するばかりで、落ち着いてきたという話は聞くが落ちる気配がない。自分の家の価値は上がっているので売って新しい家に移りたいと思っていても、周りの家も上がっているのでベイエリアでは出来そうもない、「それなら今の家をリモデルしてもっと価値を上げよう」「数年住み続けるのでもっと快適にしたい」などと思う人は多い。特にベッドルームとバスルームの数を増やすことは売却する際、家の価値に大きく影響する。流行のデザインにリモデルすれば、買い手の心を揺さぶることは間違いない。
予算と優先順位の決定
リモデルを決めたらまずは予算を決める。そして数カ所リモデルするのであれば、優先順位を決める。キッチンが重要か、バスルームが先か、それともベッドルームを増やすかなどリモデルする順番を決めておく。その後、デザイン、設計業者に概算見積もりをしてもらい、予算とのバランスを確認する。
最近の傾向
一番多いリモデルはキッチンとバスルーム。キッチンはカウンタートップやキャビネットを新しく変えたり、キッチンとダイニングが分かれている場合は、その壁を取り外して広々としたオープンキッチンにしたり。また、キッチンの中央にガスレンジやシンクのスペースをつくるアイランドキッチンも人気がある。バスルームは湯船を取って広いシャワールームにしたり、逆に湯船と洗い場を別にした和風風呂に、バスルームとトイレを別々の部屋にすると利便性が良くなる。古くなったカーペットを剥がし、木のフローリングに変えると掃除がしやすくなり、見栄えも良い。また、廊下も雰囲気を変えると新しい空間が生まれ、家に奥行きが生まれる。
イメージを固めておく
リモデルは物の配置や自分の好きな仕様・デザインに変えられる良いチャンス。いろいろなカタログを見て想像を膨ませるのはいいが、デザインは見れば見るほど目移りし、どれにしようか悩んでいると全体のデザインに統一性がなくなってしまうケースがよくある。「どんなイメージのキッチンにしたいのか」、「選んだデザインが家全体のイメージと調和しているか」など、業者に依頼する前にイメージを固めておく必要がある。あるいは、具体的なデザインやイメージがない場合は、業者がデザインの選定をすることにより、早く作業に取りかかれる。
リモデルとは、家族のライフスタイルに合わせ、また将来性も考えて、快適に暮らせる居心地の良い空間を作り出すこと。まずは専門業者に相談し、具体的なプランを構築していくのが最善である。
情報提供:千石 浩 / MAKITA CONSTRUCTION, INC
転勤、転職、離婚、アップグレード、ダウンサイズ、子供の学校区、リタイヤメント。マイホーム売却の理由は様々だが、売却することを選択したら、まずは自分にあったリアルター(不動産エージェント)に相談することだ。そして、買い手目線で売却準備をすること、また、アメリカの人口の約25%を占めるミレニアム(今年24歳から39歳)が、昨年度の物件購入者の約37%を占めている(出典:National Association of REALTORS®)こと等を踏まえて、物件を早く、高く売却する策を、信頼できるリアルターにアドバイスしてもらうことが大切だ。
売却時に発生し得る主な費用
まずは、支出項目をしっかり押さえよう。
・ホームインスペクション費用
住宅診断士(ホームインスペクター)による住宅の状況、欠陥、改修すべき箇所等のレポート費。
・修繕費
・エスクロー費用
不動産取引における売買成立、清算の作業や決済等を第三者として管理する仕組みをエスクローという。専門業者へ依頼する費用。
・クロージング費用
売買契約の締結、売却業務の完了にかかる諸費用。
・不動産譲渡税
所有権の変更により発生する税金。
・不動産エージェントへの手数料
希望期間内に希望価格で
売るための8つの戦略
住んでいた期間が1年だろうが20年だろうが、夕飯の準備中に子供が宿題をしていたキッチンカウンター、友人を呼んでバーベキューをしたバルコニー、紅白を見ながらくつろいだリビングには愛着がある。ところが、買い手は売り手の思い出には関係なく、物件の第一印象、個人の好みでマイホームを選ぶ傾向がある。多額の資金を費やさずに、費用をおさえ、買い手の第一印象を上昇させるための準備はいくらでも可能である。
1)生活感の改善
家族の写真、思い出の品等は整理し、ステージングで買い手が個人のマイホームをイメージできるように演出する。
2)カーペット、フロアーの張り替えとペンキの塗り替え
内装のリモデルをせずに家の中が一気に明るくなる。玄関ドア、ガレージドアの外壁塗装は効果あり。
3)ランドスケープ
ホームディポなどで手のかからない植物を調達し、庭木は刈り込み手入れをする。
4)ハウス・窓のクリーニング
ディープクリーニングと窓の清掃はオープンハウス前に行いたい。
5)住宅検査(ホームインスペクション)後の修繕
ドアノブ、戸のちょうつがいや外玄関照明など、低金額で修繕できるものは交換する。
6)写真、ビデオ
魅せる物件作りは最大限に活用する。
7)適切な価格設定
リアルターの市場調査分析をもとに適切な価格設定をすることがもっとも重要である。
8)集客率を上げる
ローカル、ナショナル、インターナショナルレベルでのネットワーク。フェイスブックをはじめ全てのソーシャルメディアに対応するマーケティングを行い、より多くの人への物件公開場を広げる。
2020年は選挙の年。住宅ローンの低金利に伴い、今後市場がどう変わっていくか等の質問は経験あるリアルターの意見を聞いてみよう。
情報提供:Colewell Banker The Professional Group 浅井理栄
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