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アメリカの生命保険 ﷯

生命保険といえば、万が一のことが起こった時、残された家族が生活していけるようにというのが一番に思い浮かぶだろう。しかし、アメリカではその目的だけでなく、投資の意味合いも兼ねて生命保険に加入する人が多いという。日本の生命保険との違い、加入方法、注意点や将来的な利用方法を順に見てみよう。

 

 

日本の生命保険との違い

 保険会社は顧客が預ける保険料を元手に長期的な運用を行っている。日本の場合、10年国債金利は1%台前半、その後徐々にさがっており、現在はマイナス0.011%。一方、アメリカでは10年前の10年国債金利は4%台、現在は2.724%となっている(2019年2月時点)。つまり、運用先の長期金利がアメリカと日本で異なるため、同じ保障内容でもアメリカの保険会社の方が保険料を安く抑えることが可能なのだ。さらに、積み立てた分のキャッシュバリュー増加分も大きくなるというのが、アメリカで生命保険に加入するメリットだ。保険会社によっても異なるが、同等の保障内容で日本の保険よりもアメリカの方が5〜7割安くなるケースもあるという。

 

加入のタイミングと審査基準

 実際、どのようなタイミングで生命保険に加入する人が多いのだろうか。一般的には就職・結婚・出産・マイホーム購入の時期に合わせて加入する人が多いと言われている。一方、生命保険の貯蓄機能への興味・関心から加入を決める人もいるそうだ。生命保険への加入時の審査内容も日本とアメリカの間にはかなり差がある。血液検査・尿検査・心電図・質問票への記入などの共通事項もあるが、アメリカの場合は喫煙の有無、家族の病歴も保険料に影響を及ぼす。また、アメリカの審査はDUI(飲酒運転)にも厳しい。他にもスピード違反などの交通違反歴がある人は、その分事故の確率が高いとみなされることがある。保険会社によっては過去2回以上のDUIで生命保険に加入できない、または一定の年数加入を留保されるなどの規定が存在する。

 

加入できるステータス

 ビザに関しては、保険会社によって条件と規定が異なるものの、アメリカ市民権以外でも、永住権(グリーンカード)、H(専門職)ビザ、E(投資・貿易駐在員)ビザ、L(駐在員)ビザ、O(卓越技能者)ビザなどの人は加入できる会社もあるという。数年以内に帰国の可能性がある駐在員の場合、帰国後も加入したアメリカの生命保険のベネフィットが受けられるのかが気になるところだが、多くの場合は日本に帰国後も何ら問題なく継続できるという。むしろ、アメリカ在住の間にしか加入できないため、加入を検討する場合は早めに動いた方がいいということになる。注意点は、全てが米ドル建てのため為替のリスクが常にあるということだ。ある駐在員の例として、アメリカで生命保険に加入し保険料を払い終えた後に帰国。その後円安が進み、金利と為替の双方でプラスの投資になったという人もいたそうだ。ただし、あくまでタイミング次第なので、常にそうはならないという事をお忘れなく。しかし、日米の金利に大きな差があるため、将来、老後、そして万が一のためにアメリカの生命保険を検討することには大きな意味があるだろう。

 

協力:Pacific Guardian Life Insurance Company, Ltd. (明治安田生命保険子会社)

 www.pacificguardian.com

 

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アメリカの医療保険

日本と比べて複雑な医療保険。中でも読者の居住するCA州を例にとって、日本との違い、保険内容、2014年に施行されたオバマケアについて説明しよう。

 

日本の医療保険との相違点

 国民健康保険のように国の制度として提供されている医療保険は、Medicare A&B(65歳以上の市民・永住権保持者用)とMedical(低所得者用)の2つがある。その他の市民は国営の医療保険が提供されないため、勤務先の会社を通し提供されるグループ医療保険に加入するか、個人用の医療保険に加入することになる。しかし、これらの医療保険会社は国営ではないため、加入者の審査を行い保険料を自動車保険などの損害補償保険と同様にリスク度で判断している。従って、医療費が最初から高額になると予想される持病持ちの者や、保険の使用頻度の高い加入者は保険会社にとって損失が出るために、1歳までの新生児や、65歳に近い高齢者の保険料を高く設定している。特に世界でも医療保険制度の良い国で育った日本国民にとっては信じられないことだが、民営だということを理解してほしい。例えば、被保険者が毎月300ドルの保険料を支払い、国から補助を受けられない民営の保険会社が3000ドルの医療費を医療機関に毎月支払うようでは会社が経営できないためである。

 更に医療費が日本とは異なり、法外と言うほど高額である。例えば日本では2000円で受けられるような検査が、アメリカでは100倍の2000ドルかかることもある。風邪が治らないので、医者とアポを取り、たった10分間の問診で抗生物質を処方してもらっただけで、200ドル位かかるほどだ。従って保険会社はリスク回避のため、高額な医療費の出費を防ぐため、独自のネットワークを作って医者や医療機関を傘下に入れ、医療費をお互いに交渉し、高額な医療費を請求できないようにしている。

 

保険内容

(Office Visit, Annual Deductible, Co-Insurance, Out of Pocket Maximum)

 日本では保険を使った場合、医療費の何割かを負担するのが一般的だが、アメリカでは医者との検診をOffice Visitと言い、検診費用(10~40ドル)が決まっている。安いプランに加入すると、Office Visitは保険対象外か年に2~3回までと制限があり、高いプランほど検診回数に制限がなく検診費用も安くなる。検診といっても問診に近く、医者からの助言や手法によっての検査だけであり、レントゲン、MRI、CT Scanなど医療器具を使用しての検査は対象外である。

 Annual Deductibleと言い、加入日から数え年間の免責(保険の効かない最初の自己負担額)がある。良いプランほど、Annual Deductibleが低くなるが毎月の保険料は高額になる。これはOffice Visitとは対象外で、医療器具を使用しての検査費用・治療費用・入院費用などが対象になる。この額を満たした後に、Co-insurance(日本で言う何割負担)があり、それが20%であれば、Annual Deductibleを充たした後の自己負担額は2割になる。

 更にOut of Pocket Maximumというのがあり、自己負担額に上限がある。Annual Deductibleを満たした後、Co-insuranceを払い続け年間でこの上限を満たすと、被保険者はそれ以上の支払い義務がなくなる。日本の医療保険と異なり良いのは50万ドル以上の高額な手術費用を請求された場合、その2割を負担するのではなく、Out of Pocket Maximum(プランにより3000~7000ドル/1人)の額を負担すればよい。

 

オバマケア

 2014年1月1日より施行された通称「オバマケア」。アメリカで試みられているユニバーサルヘルスケア制度への取り組みだ。2018年、2019年とトランプ大統領が廃止を試みたが施行されず、今年は継続されることになり、今後はどうなるか未定。主に大きな項目を説明する。

 

1. 既往症と病歴を理由に保険会社は、加入を拒否できない。その影響で保険会社は

  加入時から保険料よりも高い医療費の支払いを強いられるため保険料が上がった。

2. 市民・永住者(ある特定の者を除く)は医療保険の加入が強制される。どの医療保険でも

  良い訳ではなく、国の指定する一定条件を満たした保険に加入する必要がある。加入し

  ない者は、タックスリターン時に罰金を支払う。しかし、2019年度から罰金制度は廃止

  された(2018年内、無保険だった者は罰金の対象である)。

3. 保険加入はいつでも出来るわけではなく、法で定められた期間内でしか加入できない。

  特例もあり、以下の理由で余儀なく加入済みの保険を失った場合は加入が可能である。

  レイオフにより雇用主から提供されている保険を失った場合、州を隔てた引っ越し

  (日本からの赴任)、子供が26歳に満たした場合は家族の保険から外される、離婚により

  配偶者との保険を失った場合や新生児など。

4. 一世帯辺りの取得年収に応じて、金銭的援助が受けられる。CA州では保険会社に直接申

  請するのではなくCovered Californiaというオンラインの保険取引所を通して

  申請する必要がある。

 

情報提供:有澤保険事務所

www.arisawaagency.com

 

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自動車保険の基本

訴訟の国アメリカ。事故が起こってしまった後に後悔することのないように、保険の内容を理解して加入したい。また、信頼できる保険エージェントと相談して保険内容を決めることも有効だろう。自動車保険の種類について知っておこう。

 

対人賠償責任保険 BI (Bodily Injury)

 運転者の過失による事故で他人に怪我、死亡させてしまった際の損害額、法的費用のカバー。補償額が250/500とあれば、相手側へ1人250,000ドル、1事故あたり(複数の相手)500,000ドルが上限で支払われる。カリフォルニア州では1人15,000ドル、1事故30,000ドルの補償の加入が義務付けられている。しかしながら、医療費が高額であること、訴訟を起こされることを考えると、できるだけ高額の補償をかけておきたい。特に、被害者に弁護士がついた場合、家を失うというケースも起こり得るため、住宅所有者は充分注意して補償金額を決めること。賠償責任の補償を厚くしたい場合、「アンブレラ保険」という保険があるので保険代理店に相談するとよい。また、対人賠償保険の対象はあくまで「他人」であり、被保険者は対象にはならないことに注意しよう。

 

対物賠償責任保険 PD (Property Damage)

 運転者の過失による事故で他人の物(車、家、塀など)に損害を与えた場合の補償。カリフォルニア州の義務は1事故あたり5,000ドル。高級車に当ててしまった、複数の車を巻き込んでしまった、などという場合、この補償金額では全く足りないので、しっかりした補償をかけること。

 

搭乗者医療保険 Medical

 誰の過失であるかにかかわらず、自分側の搭乗者が怪我をした場合の医療費が支払われる。この保険は自損事故、相手の過失による事故の両方に適応され、対象者は運転手だけでなく、友人など同乗者全員となる。不運にも死亡者が出た場合、葬儀代も加入の保障金額まで支払われる。

 

無保険者傷害保険 UM,UMPD

(Uninsured Motorist, Unuinsured Motorist Property Dameges)

 保険無加入の車に当てられた際の自分側の怪我、車の修理代を補償する保険。万一、相手の過失で被害を受けても、相手が保険に入っていなければ泣き寝入りとなってしまう。相手を訴えようとしても、相手に支払い能力がなければ、取り立てるのは不可能。そういった多くの無保険者の存在が問題となっているカリフォルニア。自分の身を守るために、この保険にも加入しておきたい。

 

衝突、転覆車両保険 Collision

 衝突、転覆による自分の車へのダメージの支払い。自損事故によるダメージや駐車場での当て逃げ、衝突による事故などに対してカバーされる。設定した免責(Deductible)分を自己負担した後、修理代が支払われる。廃車の場合はその時の車の価値から免責額を除いた分を補償する。通常、その車の市場価値以上修理代がかかる場合、廃車になる。

 

総合車両保険 Comprehensive、Other than Collision、Non-Collision

 Collision以外での自分の車へのダメージ(盗難、落下物、いたずら)などを補償する。Collision同様、設定した免責分を自己負担する。また、車の中にある物が盗まれても通常自動車保険ではカバーされないので注意。

 

その他のオプション

Towing Road Service

事故、バッテリーが上がったなどで

けん引が必要な場合のサービス

Rental  Car

Collision、Comprehensiveのクレームにおいて

車の修理中の間のレンタカー費用

 

事故にあってしまったら

 The National Highway Traffic Safety Administration (NHTSA)のデータによると、2016年度ポリスに報告された事故が7,277,000件。ポリスに報告されていない事故が多々あることを考えると、自分が事故と無縁とは言えない。異国の地で事故に遭い、戸惑うことも多いだろう。まずは、落ち着くこと。そして、「安全なところに停車する」「負傷者がいたら911に連絡」などは基本だが、覚えておきたい事故の際に役立つ注意事項を挙げておこう。

 

ライセンスプレート番号を控える

 できればライセンスプレートの写真を撮ろう。当て逃げは頻繁に発生しており、一度停止してエンジンを止めた途端に逃げられるパターンもある。相手がわからなければ、泣き寝入りするしかない。ライセンスプレートの番号さえ控えていれば、警察が相手を突き止めてくれる可能性もある。相手の保険会社へ請求や、相手が無保険者であれば自分の無保険者保険で怪我や修理代が補償される可能性が高い。

 

目撃者の確認

 その場で過ちを認めていた相手も、後になって全く違った話をして最終的に自分が加害者にされてしまうというケースもある。周囲に目撃者がいれば名前と電話番号を聞き、後で何かあったら協力を要請したい。自分の車に乗っていた家族や友人は通常目撃者としてみなされない。

 

相手の情報は必ず自分で控える

 事故の際の確認事項は、相手の名前、住所、電話番号、運転免許番号、保険会社名、保険番号など。どんなに相手が良い人のように見えても、必ず自分で実際の免許証、保険証を確認して、全ての情報を書き写すこと。全くでたらめな情報を渡されないよう注意しよう。電話番号は自宅、携帯、会社などできるだけ多く聞き出し、その場で実際にその番号にかけて正しい番号なのか確認するのも有効である。

 

警察を呼ぶ

 通常アメリカでは負傷者がいる事故や飲酒運転などでないと警察に電話をしても来てもらえないことが多々ある。相手があまりにも非協力であったり、免許、保険を所持していない場合、後で大変なことになりかねないので、状況を説明してなるべく警察に来てもらうこと。

 

DMVに事故報告する

 加害者、被害者に関わらず、人身事故または物損が1000ドル以上になる事故は10日以内に「Traffic Accident Report (SR 1)」を記入しDMVに送付しなければならない。これを怠ると、被害者であっても運転免許停止になる恐れがあるので注意。用紙はDMVのウェブサイトからダウンロードできる。

 

事故の報告に必要な情報

■相手の名前、住所、電話番号(家、携帯、会社)、免許証番号

■相手の車の年式、種類、色、ライセンスプレート番号、

 VIN番号、所有者の名前

■相手の保険会社名、保険番号、被保険者名、電話番号

■事故発生日時、場所(町、道の名前)

■目撃者の名前、住所、電話番号

■Police Reportがある場合、所轄の警察、Report番号、

 担当警察官の名前

 

情報提供:Kawaguchi Insurance Agency

 

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