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スティーヴン・マーフィ重松さん

Ryosuke Kimura

Profile

東京生まれ、マサチューセッツ育ち。スタンフォード大学のウエルネス教育の心理学者。ハーバード大学で臨床心理学の博士号取得。東京大学、スタンフォード大学で教鞭をとる。マインドフルネスやEQの概念をベースにグローバルスキルや多様性を高める専門家として、教育、医療分野で国際的に活躍している。著書に、『When Half is Whole』 (Stanford University Press)、『Multicultural Encounters』(Teachers College Press)、 『多文化間カウンセリングの物語(ナラティブ)」(東京大学出版会)、『アメラジアンの子供たちー知られざるマイノリティ問題』( 集英社新書)などがある。パロアルト在住。

 

 

自分らしく生きるための

心豊かな人生へ導く

 

大学生活について

 大学・大学院で心理学を専攻し、博士号を取得しました。ハーバード大学だったので、マサチューセッツ州のケンブリッジで学生生活を送りました。勉強の他には、ボストンの貧しい地域で臨床心理学のトレーニングをしたり、チャイナタウンでアジア系アメリカ人のコミュニティ作りの活動などをしていました。今思うと真面目な学生生活でしたね。遊ぶ時間はあまりなかったです。

 

英語は得意?

 私の母国語は英語なので、英語は得意です(笑)。逆に日本語の習得には苦労しました。東京生まれですが、1歳の時に家族でアメリカに引っ越したので、日本語は第二言語です。当時は、バイリンガル教育は大事にされておらず、日本人の母は子供たちに早く英語に慣れるようにと、家で日本語を話すのをやめてしまいました。大学で日本語を勉強し、愛媛で祖母と日本語だけで生活した後、横浜にあるアメリカ・カナダ大学連合日本研究センターで1年間集中的に勉強しました。そのおかげで、東大で教えられるレベルまで日本語が上達しました。でも、今でも読み書きでは苦労しています。

 

現在の仕事について

 スタンフォード大学医学部でウエルネス教育のコースを教えています。この授業では、学生の心身の健康のためにマインドフルネスとコンパッションを教え、学生に人生の意味や目的を考えさせたり、社会へ何が貢献できるかを議論したりします。 脳と心の両面からアプローチするリーダーシップ・イノベーションの新しいプログラムも開発しています。昨年から、日本の高校生向けに5日間のマインドフルネス・リーダーシップ・プログラムもスタンフォードで始めました。生徒たちは短い期間に人間として成長し、大きな成果があったので、将来が楽しみです。大学外では、日本とアメリカでマインドフルネスに関する講演活動やワークショップを行っています。ベイエリアの日本人・日系人のセラピストで作るNPO「日米ケア」のプレジデントも務めています。

 

ベイエリアに来て興味を持ったこと

 アメリカは、教育に対してもっとゆったりしていると思っていたのですが、ベイエリアに来て有名大学を目指す教育熱心な親が多く、日本とあまり変わらないことに驚きました。そして、大学生に鬱や不安症が多いことにも驚きました。背景には親のそうした偏った影響があると思い、社会性やモラル、EQなど、全人格的な教育が子供には大切であることを親に教えるために、NPOを作りました。

 

いま一番チャレンジングなこと

 自分にとって一番のチャレンジは、仕事とプライベートのバランスを取ることです。私はワーカホリックでつい仕事ばかりしてしまうので、もっと自分の健康管理の時間や、家族や友人と過ごす時間を増やしたいです。趣味を楽しんだり、人生を楽しむ時間を作るのがチャレンジですね。

 

休日の過ごし方

 時間がある時には、自然の中を散歩します。

 

食生活について

 家での食事は妻の作る和食が多いです。自分は野菜料理とイタリア料理をよく作ります。外食はあまりしませんが、南インド料理のレストランにはよく行きます。

 

老後もベイエリアに住みたい?

 ベイエリアは色々な意味で好きですが、引退後も住むかどうかはまだ決めていません。日本に住みたいという気持ちもあり、鎌倉が候補地の一つです。自分が関わっているマインドフルネスと禅のコミュニティがあるし、東京にも近くて海があるので魅力的です。

 

ベイエリアのお気に入りスポット

 家の近くに野鳥の保護区ベイランズ(Baylands)があり、よく散歩に行きます。鴨、ガチョウ、ペンギン、鷺などが生息していてオープンな景色が広がっています。時々素晴らしい夕日も見られるので、お気に入りの場所です。

 

習い事・趣味

 気功を習っています。趣味はギターです。アメリカの60年代から70年代の曲やビートルズの曲などを時々弾きます。妻はバイオリン、息子はギターを弾くので一緒に合わせたりして楽しんでいます。

 

2018年の展望

 2月にアメリカで、著書『From Mindfulness to Heartfulness : Transforming Self and Society with Compassion』が出版されました。秋には日本で、リーダーシップの本が出版される予定なので、本に関わる仕事で忙しくなりそうです。自分は、アメリカと日本の理解を深めることがミッションだと思っていますので、そのためにできることを色々とやっていきたいです。プライベートでは、禅の勉強をもっと深めたいです。