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葛原 義人 氏

Sapporo U.S.A, Inc.

社長

米国市場におけるアジア発のビールブランドとしてナンバーワンを誇るビールブランド「サッポロビール」。米国現地法人Sapporo U.S.A, Inc.は1984年に設立された。日系のスーパーやレストランに行けば必ず見かけるほど、その人気は日本人の間だけでなく米国で着実に浸透してきている。2017年8月には親会社、サッポロホールディングスによるアンカー・ブリューイング社の買収でさらなる注目を集めた同社。「米国市場においては日々チャレンジの連続です」と話すのは、同社社長の葛原義人さん。米国でのビール事業の強化を図るため、さまざまな挑戦を積み重ね進化し続けるSapporo U.S.A, Inc.のこれまでと、今後の展望について葛原さんに話を聞いた。

 

 

30年以上トップを誇るアジア発のビール

 

 サッポログループは、アジア・太平洋地域、北米、ヨーロッパに拠点を置いています。1964年にサッポロビールを米国に輸出及び販売を開始し、ベイエリアに進出したのは1972年のことです。サンフランシスコに駐在員事務所を設置したことがきっかけでした。その後、1978年にニューヨーク、1983年にロサンゼルスに駐在員事務所を設置、そして1984年にSapporo U.S.A, Inc.(本社、ニューヨーク)を設立しました。

 

 日本では広く認知されているサッポロビールですが、米国に進出してきたばかりの頃は、まだまだ馴染みが深くありませんでした。その課題を解決するために、当社は全米の主要エリアにビールに精通した営業スタッフを配置するなど、米国市場の販路拡大に努めました。また、米国に住んでいる人々を対象に歴史や商品の特徴を理解してもらえるようにとウェブサイトを活用したり、最近ではミレニアル世代にはSNSを活用して情報発信を行うなど、ブランド価値の向上にも尽力しています。

 

アイデンティティの明確化を図る

 

 「LEGENDARY BIRU」をテーマに、サッポロビールが「日本で最も古いビールブランドであること」、そして日本人で初めて本場ドイツでビール醸造法を修得し、当社の初代ビール醸造技術者である中川清兵衛の「開拓者精神により、サッポロビールが始まったこと」をアピールすることで他社との差別化を図りました。他社との違いを見出すことに軸を置くのではなく、ブランドとしてのアイデンティティを明確化することで当社の独自性を発揮しています。

 

次の成長市場へ

 

 米国ではお寿司を中心とした日本食の普及に伴い、日本食レストランの増加、日本食に対する関心がますます高まっています。こうした日本食ブームに後押しされ、ほとんどの日本食を取り扱う飲食店では、「日本食には日本のビール」とサッポロビールが取り扱われるようになり、日本食の認知の拡大とともにサッポロビールの認知の拡大にも繋がっていきました。日本発のブランドとして日本食の広がりと共に売上を伸ばして参りましたが、日系市場に加えてアジア系また一般的な米国市場にて売上を拡大していくことに引き続きチャレンジしていくことが、これからの課題です。

 

開拓者精神で挑む

 

 当社はサッポロプレミアムブラックを2016年に発売しました。サッポロプレミアムブラックはラガータイプの黒ビールで、今までサッポロ製品と接点がなかった顧客に対して新しい提案を行い、売上も好調に推移しています。また、サッポロブランドのさらなる伸長に加え、新たなブランド獲得によるビール事業の拡大を検討し、サッポロホールディングスは2017年8月にアンカー・ブリューイングを買収しました。アンカー・ブリューイング社は、1896年にサンフランシスコで設立された米国を代表する歴史あるビールメーカーであり、地元サンフランシスコを中心に米国各地で120年にわたって多くの顧客に愛飲されてきたプレミアムブランドです。老舗クラフトビール会社とのコラボレーションは新しい試みですが、今後の米国市場においてお互いにWin-Winの関係で、シナジー効果の創出を目指します。当社が持つ米国ビール事業の基盤にアンカー・ブリューイング社の強いブランド力とネットワークが加わることで、米国での事業成長スピードを加速させていきます。