Gulliver USA, Inc.
General Manager
森部 壮平 氏
1994年に創立し、中古車買取・販売会社の最大手として日本全国に500店舗を展開する株式会社IDOM(旧株式会社ガリバー・インターナショナル)の完全子会社として全米で5店舗を展開するGulliver USA, Inc.。そのゼネラルマネージャーとして北米事業を統括する森部壮平氏に、ここ数年の米国における自動車販売業界の動向や同社の取り組みなどを伺った。
実店舗からオンラインへ
セダンからSUVへ
ここ5年程の米国における自動車業界の動向を振り返ると、リーマンショックの打撃から徐々に回復し、GDPや新車の販売台数の推移で言えばリーマンショック以前の状況まで回復したと言えます。しかし昨年あたりから、右肩上がりだった新車の販売台数は頭打ちの状況となっています。そのような中で見られる変化は、新車のディーラーが中古車の販売に力を入れ始めていることです。オンライン中古車販売専門のCarvanaの成長は著しく、株価はうなぎ上り。CarMaxに代表されるような今までのbrick and motorと呼ばれる実店舗を持つ事業形態から、オンラインにシフトし始めてきています。
また米国ではセダンが多いと言われていましたが、ここ数年でSUVがその数を超えました。リーマンショック直後はガソリン代が倍以上に上昇し、当時燃費の良いプリウスやハイブリットカーなどが売れていましたが、最近では景気が盛り返してきたことから燃費の良さよりも大きくてパワーのある車が好まれています。メーカー側も大きい車種のほうが利益が取れることから、躍起になって販売に力をいれていることも、SUVの成長につながっています。
日米文化の違いがある中で
ガリバーができること
消費者が車を購入するうえで、日米ではその方法に大きな違いがあります。営業マンが推奨する車種や金額を提案して、それに対し価格やサービスなどの交渉を重ねる日本流と、車種だけでなく価格の相場も含め全て顧客自身で細かく調べて、リスクを取りつつ自ら意思決定する米国流です。それぞれの良い面をバランスよく販売方法に取り入れていくのが、当社の方向です。
また当社の顧客の多くは駐在員の方々ですが、常に経済動向への情報にはアンテナを張り、米国のトレンドにのった最先端の車を購入されることが多いです。とくにシリコンバレー支店を訪れる顧客は、最新のテクノロジーやビジネスモデル自体にも興味を持たれる傾向があります。
そのような中、当社が行っていることは、消費者が車の購入をする上での選択肢を増やすということ。オンラインで購入が可能なこと、駐在員でもローンが組めることは顧客の好評を得ています。とくにオンラインは消費者にとって大きな時間の短縮になります。これまでならば店舗で4時間かけていたところ、そのうちの3時間を好きな時間・場所で行えるというメリットは大きいものがあります。また、支払いを一括で行う余裕のある顧客も多いですが、あえてローンを組むという選択肢があることでその後の生活にも余裕が生まれます。
新しいチャレンジを重ね
消費者の選択肢を増やす
当社が多くの選択肢を増やしていける理由は「新しい取り組みへのチャレンジ」を続けた結果といえます。車の価格で言えば、日本では交渉する文化がありますが、当社では昨年から米国の基準に合わせオンライン上で最終価格を提示しているうえ、1年間の保証付き(米国では3カ月が普通)で提供しています。また、シリコンバレーのスタートアップ企業がバックグラウンドとなりシステムを運営。ローンの審査もオンラインで可能です。
そのほか、コストリーダーシップが取れる米系の大手競合チェーンと戦っていく対策としては、極力広告費といった集客に費用をかけず、その分を製品に還元していくことにあります。製品の品質にこだわっていくことで口コミによるリピーターを増やしていくことに注力しています。
当社の使命は、米国でビジネスをする人が車に困ることがない社会を作っていくことだと思っています。今後は、店舗がないエリアでの販売、買取を強化していく予定です。それは日本最大手のIDOMのノウハウを活用することで技術的にも全米で販売ネットワークを広げることが可能です。州ごとに全く異なる法律に遵守していくことは骨が折れますが、それをクリアし、しっかりとトレンド情報や知識を得て、新しいサービスを展開するビジョンを持ち続けます。
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Gulliver USA, Inc.
General Manager
森部 壮平 氏
1994年に創立し、中古車買取・販売会社の最大手として日本全国に500店舗を展開する株式会社IDOM(旧株式会社ガリバー・インターナショナル)の完全子会社として全米で5店舗を展開するGulliver USA, Inc.。そのゼネラルマネージャーとして北米事業を統括する森部壮平氏に、ここ数年の米国における自動車販売業界の動向や同社の取り組みなどを伺った。
実店舗からオンラインへ
セダンからSUVへ
ここ5年程の米国における自動車業界の動向を振り返ると、リーマンショックの打撃から徐々に回復し、GDPや新車の販売台数の推移で言えばリーマンショック以前の状況まで回復したと言えます。しかし昨年あたりから、右肩上がりだった新車の販売台数は頭打ちの状況となっています。そのような中で見られる変化は、新車のディーラーが中古車の販売に力を入れ始めていることです。オンライン中古車販売専門のCarvanaの成長は著しく、株価はうなぎ上り。CarMaxに代表されるような今までのbrick and motorと呼ばれる実店舗を持つ事業形態から、オンラインにシフトし始めてきています。
また米国ではセダンが多いと言われていましたが、ここ数年でSUVがその数を超えました。リーマンショック直後はガソリン代が倍以上に上昇し、当時燃費の良いプリウスやハイブリットカーなどが売れていましたが、最近では景気が盛り返してきたことから燃費の良さよりも大きくてパワーのある車が好まれています。メーカー側も大きい車種のほうが利益が取れることから、躍起になって販売に力をいれていることも、SUVの成長につながっています。
日米文化の違いがある中で
ガリバーができること
消費者が車を購入するうえで、日米ではその方法に大きな違いがあります。営業マンが推奨する車種や金額を提案して、それに対し価格やサービスなどの交渉を重ねる日本流と、車種だけでなく価格の相場も含め全て顧客自身で細かく調べて、リスクを取りつつ自ら意思決定する米国流です。それぞれの良い面をバランスよく販売方法に取り入れていくのが、当社の方向です。
また当社の顧客の多くは駐在員の方々ですが、常に経済動向への情報にはアンテナを張り、米国のトレンドにのった最先端の車を購入されることが多いです。とくにシリコンバレー支店を訪れる顧客は、最新のテクノロジーやビジネスモデル自体にも興味を持たれる傾向があります。
そのような中、当社が行っていることは、消費者が車の購入をする上での選択肢を増やすということ。オンラインで購入が可能なこと、駐在員でもローンが組めることは顧客の好評を得ています。とくにオンラインは消費者にとって大きな時間の短縮になります。これまでならば店舗で4時間かけていたところ、そのうちの3時間を好きな時間・場所で行えるというメリットは大きいものがあります。また、支払いを一括で行う余裕のある顧客も多いですが、あえてローンを組むという選択肢があることでその後の生活にも余裕が生まれます。
新しいチャレンジを重ね
消費者の選択肢を増やす
当社が多くの選択肢を増やしていける理由は「新しい取り組みへのチャレンジ」を続けた結果といえます。車の価格で言えば、日本では交渉する文化がありますが、当社では昨年から米国の基準に合わせオンライン上で最終価格を提示しているうえ、1年間の保証付き(米国では3カ月が普通)で提供しています。また、シリコンバレーのスタートアップ企業がバックグラウンドとなりシステムを運営。ローンの審査もオンラインで可能です。
そのほか、コストリーダーシップが取れる米系の大手競合チェーンと戦っていく対策としては、極力広告費といった集客に費用をかけず、その分を製品に還元していくことにあります。製品の品質にこだわっていくことで口コミによるリピーターを増やしていくことに注力しています。
当社の使命は、米国でビジネスをする人が車に困ることがない社会を作っていくことだと思っています。今後は、店舗がないエリアでの販売、買取を強化していく予定です。それは日本最大手のIDOMのノウハウを活用することで技術的にも全米で販売ネットワークを広げることが可能です。州ごとに全く異なる法律に遵守していくことは骨が折れますが、それをクリアし、しっかりとトレンド情報や知識を得て、新しいサービスを展開するビジョンを持ち続けます。