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福田 圭志 氏

Ishi Limousine, Inc.

社長

シリコンバレーで観光やビジネスツアー、空港送迎など、旅行者をはじめ皇室や政治家の方まで幅広い顧客層に向けて旅のサポートをするイシ・リムジン株式会社。1972年に創業された北カリフォルニアで最も古いリムジン会社で、社長の福田圭志さんは1992年に前オーナーの故石崎ツトムさんと奥様のメアリーさんより買収という形でリムジン事業を引き継ぐ。仕事の一番のやりがいを尋ねると、「最後に『ありがとう』と喜んでもらえるのが最高の褒美です」と目を輝かせながら話す福田さんは、経営管理のみならず自らも運転手を務める。長年にわたり当地で活躍される福田さんに、顧客満足向上への取り組みやシリコンバレーにおける会社づくりについて話を聞いた。

 

 

北カリフォルニアで一番古いリムジン会社

 

 前オーナーの故石崎ツトムさんと奥様のメアリーさんが1960年代にイシリムジンを創設し、1972年に株式会社に変更しました。1992年に買収という形で引き継ぎ、現在に至ります。当社は、北カリフォルニアで一番古いPUC(Public Utilities Commission)ライセンスを持っています。PUCライセンスとは、車にお客様を乗せてツアーなどをするビジネスに必要なライセンスです。買収当時はほとんどが現地のテレビ局や銀行、弁護士、企業のエグゼクティブでしたが、現在は75%以上が日系企業や日本人旅行者です。これまで培ってきた人材リソースを最大限に活かし、運転手もほとんどがネイティブの日本人です。

 

顧客満足への追求

 

 事業内容は大きく分けてトランスファー業務とチャーター業務の2種類です。昔は空港送迎などを中心としたトランスファー業務が多かったのですが、現在はUberやLyftなどの配車サービスの発展もあり、若干減少傾向です。一方チャーター業務が伸びてきており、大人気のナパ・ソノマワイナリー観光からIT企業の視察、VIPの接待などでご利用いただいています。チャーター業務は朝から晩までスケジュールが安定して決まっているので、経営者目線でも無駄がなく効率化が図れます。お客様のご希望を聞きながらコースをカスタマイズしたり、話題の電気自動車Teslaを導入したりと、時代のニーズに合わせて様々な工夫を取り入れていますが、当社が目指しているのは事業の拡大ではなく、お客様の満足に繋がるサービスの拡充です。お客様が満足してくださっているかどうかを的確に把握し、きめ細かい接客と快適空間で特別な安らぎを提供することで、UberやLyftなどの配車サービスに大きな違いを生むことができるのだと確信しています。ハイグレードな車両と運転技術だけではない、心に響くトータルな心配りが大切だということです。

 

「ありがとう」が人と会社を幸せにする

 

 天皇陛下ご来訪の節やサンノゼでの相撲巡業の力士の接待は、今でも忘れられない思い出です。

 

 当地シリコンバレーでなければ、なかなかお目にかかれない政府高官や宇宙飛行士、著名人、企業のトップの方々も当社のサービスをご利用されるので、仕事中の緊張度はピークに達します。その時は大変ですが、仕事をこなした後は達成感ややりがいを覚えます。たくさんのお客様からお礼の言葉をいただいてきましたが、やはり最後に「ありがとう」と喜んでもらえるのが最高の褒美です。

 

現場を知り、従業員の心を知る

 

 お客様が大切なのは当たり前です。しかし良き従業員がいなければお客様はいません。お客様が大切だからこそ、会社の発展や成功を担っている従業員を大切にしなければならないのです。また、私自らも現場に立って仕事をしています。自らが現場に出ることで従業員のニーズにも耳を傾けることもできますし、現場を支える従業員たちの評価を適正に行うことにも繋がり、従業員の士気を高めることができます。こうした姿勢が従業員のモチベーション維持に繋がっているのかもしれません。これからも当社が発展しつづけるために、若い力が必要不可欠だと考えます。

 

 今後は世代交代をしながら新しい発想も取り入れて、これまで築いてきたお客様との信頼に加えて、若い世代の方の新しい発想力、そして若さ溢れる原動力で引き継いでいってほしいです。